秋の歯周病学会学術大会をオンライン参加しました。
2024.11.25
1年が経つのも早いもので、気がつけば12月ですね。
大好きなスキーシーズンが始まるので、12月は楽しみが多いですが、
年末は何かと雑用も多いので、皆様、健康に気をつけてください。
さて歯周病学会が現地で行われましたがその様子の配信が今回も行われました。家庭のある従業員が多い中、オンラインの開催は非常に助かります。
今回は歯科衛生士は主に洗口剤について、歯科医師はセメント質剥離についての講演が非常に参考になりました。
「セメント質剥離」は高齢になるとある日突然、深い歯周ポケットが出現し歯周病と同じ形態をする疾患です。自分も時々見かけますが、実際はもっと多いんじゃないかとの話でした。今後の診療に生かしていければと思います。
その他に「非プラーク性歯肉病変」についての講演も面白かったです。
お勧めの電動歯ブラシは何ですか?
2024.07.24
最近は、ヤマダ電機などの家電量販店に行くと電動歯ブラシの売り場が結構広くきれいに並んでいます。それに伴い、当院に通院の方の電動歯ブラシを使っている方も増えているように思います。
その3大メーカーとして
ブラウン、パナソニック、フィリップスがあります。
男性の方には電動シェーバー(髭剃り)でおなじみのメーカー3社ですね。
シェーバーならやっぱりブラウンでしょう。自分も20年以上シェーバーはブラウン一筋です。次に選ぶとしたらパナソニックですね。フィリップスは使ったことがありません。
しかし!!!電動歯ブラシの順番は逆です。
圧倒的にフィリップスのソニケアが1番!!
音波の力で届かないところも汚れが落ちるそうです。小さいヘッドがあるのも良い。振動は強めですので振動が嫌な方は無理です。
次にパナソニック。音波ブラシですが振動は弱めでソニケアの振動が苦手な方でお勧めです。
ブラウンは回転ブラシで構造上ヘッドが大きくなるのでは細かい場所は磨きにくいと思います。良い点としてはブラシが回転するだけなので音波歯ブラシの独特な感覚が無く違和感がないです。
画像では、左がブラウン、右がフィリップスです。
ブラウンは厚いですね。
普通の歯ブラシでも言える事ですが、
薄い方が断然奥歯が磨きやすいです。
色々試して自分に合ったもので楽しい歯磨き生活を送ってください!!
春季歯周病学会学術大会のオンライン参加をしました。
2024.07.20
今年の5月に福島で行われた歯周病学会学術大会に動画配信が行われ
歯科衛生士とともに受講しました。当院では現在、家庭あるスタッフが多く
遠方の学会参加は難しいのですが、配信では自院にいながら全員で拝聴することができるのでとても助かります。コロナ過で始まったこのシステムですが、とても助かるので現地開催のみでなく配信も続けていただけると嬉しいです。
さて内容ですが、「個別化医療」ということで、一人一人に合った医療を提供することをテーマにお話がありました。今後の診療に生かしていければと思いま
す。
歯が生える薬のニュースについての誤解
2024.07.02
最近、「歯が生える薬」の治験が始まったとのニュースがあり、患者さんから時々聞かれるようになりました。
すごく期待している方もいる中で、残念な説明しかできないのですが、
普通の人に対して、歯がだめになって抜歯した後に
再度、歯が出てくるような魔法の薬ではありません。
先天性無歯症という難病の方向けに開発されました。
胎児の段階から歯胚と呼ばれる歯の卵のようなものがあり、
成長とともに歯胚が歯へと成熟してきます。
無歯症の方はこの成長を抑えるたんぱく質が存在し
それを抑える事で歯の成長を促すのだそうです。
当然まだ治験段階なので、それすらもできるか分かりませんが、
そもそも歯胚のないところに使う薬でなさそうです。
いずれ歯胚のないところにも歯が再生できる治療が開発される事を
願いますが、まだ先のようですね。
歯科でのボツリヌス毒素治療の正直な話を受講しました。
2024.04.30
先日、オンラインで歯科医院でもぽつぽつ取り組んでいるところもある
歯ぎしりに関してのボツリヌス毒素療法の正直な話ということで、
非歯原性歯痛専門医である安藤彰啓先生のお話を聞きました。
最近勉強会なのでうわさになることもあるこの治療方法ですが、自分もこの分野に対して全く知識がなかったので
アップデートする意味でも一度専門医の話を受講してみました。
歯ぎしりはなかなか改善することが難しく、
マウスピースなどで対応することが多いのです。
新たな治療オプションが増えたのかとうれしくも感じられるこの治療法ですが、
結論からすれば、まだ歯科医院で導入するには早いとのことでした。
理由として
①歯科分野での認可が下りていないため薬剤が直接には買えない事。
②治療効果がマウスピースなどと同等レベル。
③薬の副作用のリスク。
なるほど、予想通りでした。
今後の流れは分かりませんが、しばらくは当院では導入しない予定です。
骨粗鬆症の薬を服用されている方の歯科での対応が変わりました。
2023.07.10
従来、骨粗鬆症のお薬の中のBP製剤と呼ばれているお薬を使用されている方は、抜歯をする際に抜歯後に顎骨が壊死をする可能性があるため、半年以上休薬してから行うというルールがありました。しかし今月の口腔外科学会などがまとめたポジションペーパーでは普通の条件下であれば、休薬せずに抜歯することを推奨しています。自分たちのスタンダードがまた一つ変わりました。
常に最新の知識へのアップデートが必要ですね。
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/202307/580401.html
花粉症などの舌下免疫療法を受けている方へ!安心して下さい!
2023.05.26
最近、花粉症やダニアレルギーの治療に、シダキュア、ミティキュアというお薬を使うとがあります。
一時期、歯科の治療において、すごく重篤な症状が出るとのうわさが出回り、受診を控える動きもありましたが、今回、製薬会社の調査も終わり、小児歯科学会でも発表されていますように、アナフィラキシーショックなどの症状が出たケースの報告はなく、通常と同じ歯科診療で良いとの見解が出ました。
抜歯の時も特にお薬をやめる必要はありませんが、心配でしたら処方している先生と一時休薬の相談するようにとのことです。
当院では、舌下免疫治療中の方も治療を継続しながら歯科治療も受診してただくように考えています。
「安心してください!普通に歯科治療できますよ!」
小児歯科学会からの発表
https://www.jspd.or.jp/recommendation/article23/
製薬会社の見解
https://www.torii.co.jp/iyakuDB/data/notice/slit_2304_2.pdf
妊娠中の方へ、知っててお得な歯科の話。
2023.03.23
問い合わせも多い妊娠中の歯科治療についてお答えしようと思います。
血圧が高くようなこともなく母体が安定しているようであれば、普通の歯科治療が可能です。麻酔は安定期がお勧めです。妊娠後期になると長時間の上を向いているのが大変になってくるので、こまめに休憩をとりながら治療を行います。歯周病があると早産や低出生体重児になりやすくなるので、検診を受けてチェックしてもらい事をお勧めします。抗菌薬は一般的に大丈夫と言われていますが、製薬会社が発行している薬剤情報には基本的に妊婦には控えた方が良いとの記載があります。鎮痛薬はアセトアミノフェンが安全に使えます。
小児歯科と産婦人科、薬剤師の連携事業で妊娠中の歯科治療についてまとめたものが発表されています。
参考にしてください。
花粉の季節に鼻うがいを試しませんか?(市販薬の評価もあります。)
2023.03.08
今年は暖かくなるのも早く、花粉の飛ぶ量も多いそうですね。
この時期にお勧めは、鼻の奥についている雑菌や花粉を洗い流してくれる鼻うがいです。自分も風邪予防、花粉予防に最適だと思って日々実践しています。
上咽頭という鼻の奥の部分の洗浄も行うことができ、阿部寛も愛用だそうです。
内服薬には必ず副作用がありますが、この方法はうまくできれば副作用はありません。風邪予防されたい方、花粉予防されたい方はぜひおすすめです。
個人的に市販されているものの評価をしたいと思います。
①小林製薬のハナノア(写真左)はボトルも小さく一回の洗浄量が50mlと少なく洗浄液も原液で使えるので初心者にとてもおすすめです。洗浄液成分の中に、消毒成分も含まれるのですっきりした感じがします。
②小林製薬のハナデカシャワー(写真中央)です。1回の洗浄量は250mlととても多く、慣れてくればこちらの方が断然良いです。ハナノアと違い洗浄液は水で(ぬるま湯が良い)薄めて使いのですが、成分の中に消毒成分も含まれますのですっきりした感じがします。
③Neil Med社のサイナスリンス(写真右)です。ハナデカシャワーと同じようにぬるま湯に専用の粉を溶かして使います。成分はほぼ食塩水で消毒成分は含みません。
1回あたりのコスト(詰め替え用で計算)
①ハナノア 90円
②ハナデカシャワー 90円
③サイナスリンス 30円
使い分けとしては、初心者や簡易的に行う場合にはハナノア、
風邪気味などで消毒もしたい場合、ハナデカ、もしくはハナノア、
花粉予防などの普段使いにコストを考えるとサイナスリンスでしょうか。
自分で食塩水を作ればもっと安く済むのですが、自分はサイナスリンスを愛用してします。
群馬県歯科医学会が開催されました。
2023.01.25
本当にすごく久しぶりの対面で開催された群馬県歯科医学会に参加しました。
内容よりも久しぶりにこの雰囲気に触れることができたのに喜びを感じました。コロナ以来、ほとんどすべての研修や学会が中止もしくはオンラインへと移行し、人と接触する回数がとても減り、寂しく感じていました。久しぶりに会う先輩や後輩ともあいさつする事ができとてもうれしかったです。特別講演の内容は流行のDX化ですね。どの分野も同じなのでしょう。大学病院で行われているIOS(口腔内スキャナー)の使用上の注意や、欠点、適応症例について昭和大学歯学部教授の馬場先生に現在の技術でできることについてわかりやすくお話しいただきました。
今後の診療に生かしていきたいと思います。