歯が生える薬のニュースについての誤解
2024.07.02
最近、「歯が生える薬」の治験が始まったとのニュースがあり、患者さんから時々聞かれるようになりました。
すごく期待している方もいる中で、残念な説明しかできないのですが、
普通の人に対して、歯がだめになって抜歯した後に
再度、歯が出てくるような魔法の薬ではありません。
先天性無歯症という難病の方向けに開発されました。
胎児の段階から歯胚と呼ばれる歯の卵のようなものがあり、
成長とともに歯胚が歯へと成熟してきます。
無歯症の方はこの成長を抑えるたんぱく質が存在し
それを抑える事で歯の成長を促すのだそうです。
当然まだ治験段階なので、それすらもできるか分かりませんが、
そもそも歯胚のないところに使う薬でなさそうです。
いずれ歯胚のないところにも歯が再生できる治療が開発される事を
願いますが、まだ先のようですね。